2006 |
12,26 |
テーマ『After X'mas』
クリスマスネタをしようと思いつつ時期が過ぎてしまったからというのは内緒の話。
時代考証・宗教考証は一切まったくしておりません。
私はノリとイキオイで生きております。
でも苺が当時観賞用だったのは本当らしいですよ。
クリスマスネタをしようと思いつつ時期が過ぎてしまったからというのは内緒の話。
時代考証・宗教考証は一切まったくしておりません。
私はノリとイキオイで生きております。
でも苺が当時観賞用だったのは本当らしいですよ。
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白い魔王と赤い誘惑
「そういえば、この時期は切支丹にとっては祝い事があるらしいぜ。知ってたか?」
「いいえ、法眼。初めて聞きました」
「うむ。俺も一度見ただけなんだが、『けぇき』とかいう見たこともない珍しい甘味を食してたぜ」
「甘味! ……どんな?」
「うーん、確か……『かすてぃら』の周りにな、白くて、少しとろっとした『くりぃむ』とかいう甘い練り物を塗りたくっていてな」
「白くて甘くてとろとろの……練乳みたいなものでしょうか?」
「まあ、およそそんなもんだろ。で、その上に苺が乗っていてな」
「苺? 父の知人の蘭法医のところで一度だけ見たことありますけど……あれって食べるものなんですか」
「一応、食べられるらしいな」
「うーん、でも入手は難しそうですね……赤い果実……ああ、梅の実ならちょうど保存してるのが」
「おいおい、甘味だぜ?」
「勿論、漬け物じゃないですよ! 梅の実を砂糖で煮込んだ菓子の作り方をお里さんに教えていただいたんです」
「ああ、そんなら。あとは、どうやらそのかすてぃら、中に餡が入ってるらしいんだ。俺は断面図は見てないんだけどよ」
「餡なら簡単ですよ。最近たまに屯所でもお汁粉を煮ますので、小豆は良いのがあります!」
「そうかそうか。んじゃ、どんな反応だったか後で教えろよな?」
「法眼!? 私は別に沖田先生の為にとかじゃ………ごにょごにょ」
「ははは、色気はねえが、甘味馬鹿にはなかなか粋な贈り物かもなぁ」
「もうっ! からかわないでください、法眼~!!」
総司にとって不幸であったことは、セイの手が相当に器用であったことであろう。
奇跡的にもそれなりの見た目に仕上がってしまった『けぇき』なるものを食した総司の顔色は、白くなって、赤くなって、小豆色になって、まるでそのけぇきのようであったと居合わせた隊士達は口を揃えて証言した。
〈了〉
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吐き出せないまま積もりに積もった妄想がいっぱいあって困っている。
吐き出せたらいいなぁと思っている。
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